30MM戦記・14話

友軍に自分の位置を知らせるべく

「」は一定間隔ごとにビーコンを投下し追跡を続けていた


小腹がすいた「」は朝食…というには質素な携帯食料を齧っていると

匂いにつられてキャッツが座席の下から這い出て「」を睨んだ

キャッツ{ぬも朝食の時間なんぬ}

「」「はいはい ほいフード」

キャッツ{これじゃ足りないんぬぅぅ!}

「」「昨日これより多く食ってコクピットでゲロ吐いたじゃん!それが適量だ」


「」はキャットフードをシート後ろに置いてある私物入れボックスに入れて蓋を閉めた

そこで「」は直前まで足元に居たキャッツの姿が消えている事に気が付く

「」「あれ?どこいったキャッツ!・・・んん?後ろから聞こえる不快な音は…まさか!?」

「」が私物ボックスを開けるとそこには…蓋を閉めた時にはいなかったキャッツがいた




「」「なっ?!どうやって中に入ったキャッツ!!!???」

キャッツ{カリカリ…適応体である…カリカリ…ぬは超能力を使えるんぬ}

キャッツ{テレパシーの他にテレポートもできるんぬ}

「」「まじかすげえ!じゃあFI基地の俺の部屋から食パン取ってきて!」

キャッツ{…カリカリ…テレポート先まで100m程で…ぬが知っている場所しか無理なんぬ}

「」「ええ…なにその微妙なテレポート…」

キャッツ{微妙じゃないんぬ!…うっ…} \カポッカポッカポッ‥‥ゲー/

「」「あああああゲロ吐いたーー!もーーー!だから言ったのに!!」


キャッツのゲロを処理した「」は粘土のような携帯食料を平らげ悪態をつく

「」「ゲロ臭漂うクソマズ朝食…せめて食後は爽やかなコーヒータイムといきたい所だけど__」

前方から速度を落として「」に接近する2機の機影をレーダが知らせる

「」「コーヒー飲んでる暇も無しか」



敵機の攻撃を躱しながら「」はバイク後部に引掛けていたラックを蹴り

飛び出たバズーカを右手で掴んだ


「」「__ッ!相手は反動の無いビームだが…こっちはバズーカ」

「」「反動がキツイからバイクに乗りながら撃っても当たるかどうか…」

「」が取った行動は・・・


1.バイクと合体した

2.キャッツにアドバイスを求める

dice1d2



「」「キャッツ!何かアドバイスぷりーず!!」

キャッツ{なんでぬに聞くんぬ‥‥}

キャッツ{…この前見た映画では敵を谷に誘い込み岩壁を爆破して倒してたんぬ}

「」「ナイスアイデア!ムーヴィーキャッツ!」


周辺のマップをコンソールに表示し「」は最適な場所を探した

「」「おっ!ここならルトーを追いながらでも行けそうだ」

「」はほどなく谷へとたどり着くと、すぐさま準備に取り掛かった


キャッツ{何してるんぬ?}

「」「 「」30秒クッキング!まず弾倉にバイクの小型ブースタを取り付けます」

「」「次に数十秒後に爆発するように信管をセットした弾を取り付けます」

「」「そしてこれを両側の岩壁に向けて撃つと___」

「」「敵機の生き埋めの完成ですな」



敵機を撃退した「」はルトーの追跡を続行

しばらくしてルトーは停止したのか、レーダーの反応が同じ位置を示す

「」「待ち伏せ…?それとも奴らの根城に着いたのか?」

「」は速度を落とし、ルトーの狙撃を考え遮蔽物のあるルートを通って慎重に近づいていく

そして・・・

「」「ここは‥‥ヘイロと俺が初めて会ったグルトニーのアジト!?」

アジトの前にはルトーのバイクと‥‥少年、同僚、Dの機体が載った輸送車が置かれていた

「」「‥‥罠?それにしてはあからさま過ぎるな」

「」「考えててもしょうがない 調べてみるか」

「」は念の為バズーカを構えながら3機の機体に近づいたが…攻撃される事は無かった



「」「とりあえず移動させるか」

「」は輸送車をアジトから少し離れた場所へと移動させた

「」「‥‥隙だらけなのに攻撃してこない」

「」「という事はアジトの中で待ち構えてるなこりゃ…」

「」「それじゃあ俺は…援軍が駆け付けるまでここで待つぜ!」


ジョーンズたちが駆け付けるまで待機する事を決めた「」は

アジト前に置かれていた機体に細工がされていないか確認する事にした

1.特に異常なし

2~3.時限爆弾?!

dice1d3=1 (1)



「」「特に異常なし…っと」

「」「急いで調べても流石に3機もあると時間が掛かるな…はぁ疲れた」

3機の検査を3時間で済ませた「」だったがジョーンズはまだ到着していなかった


「」「ジョーンズさんはまだ来ない…待つしかないか」

「」「キャッツ~暇つぶしにしりとりしようぜー」

キャッツ{・・・}

「」「ピザ!」

キャッツ{ざんぱん}

「」「おいおい瞬殺だよ‥‥」



ー数時間後ー

ウトウトと微睡んでいる「」をレーダーの捕捉音が現実に引き戻す

「」「敵!?‥‥この反応は友軍機…って事は」

ジョーンズ「無事かい「」君!遅れてごめんねー」

同僚「うお?!それ俺の機体じゃねーか!何でこんな場所にあるんだよ?!」

D「私たちの機体はFI基地にあったはず‥‥それがなぜ」

少年「‥‥」

「」「ジョーンズさん…同僚…D…少年…援軍は…4人か…‼」

ジョーンズ「本来ならもっと連れてくるつもりだったんだけど」 

ジョーンズ「敵の増援に次ぐ増援の対処に手一杯で…ね」



ー陸戦空母・付近ー

ヤサ「敵部隊の殲滅完了…クソッ!槍のストックがもう1本しかねえっ!」

ウーゴ「残ってるだけマシですよ 自分なんて大剣が壊れたので敵の武器を鹵獲して戦ってます」

サーゴ「敵の刀ならそこら中に落ちてる」

ヤサ「俺は”こいつ”以外に命を預けたくないっての!」


ウーゴ「ええ…では敵がいない内に一度補給に___」

サーゴ「2時方向に敵の増援」

ヤサ「またかよぉ!倒したそばから出てきやがって!ワンコそばかよ!?」


ーグルトニーアジト前ー

少年「今すぐ突入しましょう!!!」

「」「いやまずは機体のチェックと休憩だ」

少年「何を呑気な事を言っているんですか「」さん!!?」

「」「同僚 D 少年は敵からご返却された機体のチェックを…」

「」「俺が先に調べたがセッティングをイジられてる可能性もある 一応確認してくれ」

D「了解」

同僚「りょーかい 最近戦えてない分暴れてやんぜ」

「」「確認が終わった奴から休憩を取ってくれ 敵のホームで戦うんだ万全の状態で挑む」

少年「…っ!早く行かないと___」

「」「焦って突撃して全員やられたら 誰が少女を助けるんだ?」

少年「!」

「」「少年の気持ちは分かる‥‥けど今は俺の指示に従ってくれ」



「」の説得に少年は…


1~2.「」の指示に従った

3.‥‥

dice1d3=2 (2)


少年「‥‥分かりました」

少年は「」の指示に従い、回収した機体の元へ向かった

その間「」はジョーンズが持ってきた補給物資(推進剤など)を機体に注入していた

ジョーンズ「そうだ「」君にこれを渡しておくよ」

注入作業を手伝っていたジョーンズは、懐からリボルバー式拳銃を取り出し「」へ渡した

ジョーンズ「これは俺が入隊した日…父親から贈られて以来ずっと持ってる___お守りだよ」

ジョーンズ「今まで使う機会はなかったけど 手入れは毎日してたから使えるはずだ」

「」「そんな思い入れのある物をどうして俺に?」

ジョーンズ「‥‥縁起や神の助けを借りず 俺の実力だけでルトーと戦いたい」

ジョーンズ「だから「」君にはその間これを預かってほしいんだ」

「」「分かりました”お預かりします” ___だから後で取りに来てくださいジョーンズさん」

ジョーンズ「‥‥あははっ俺はそのつもりだよ「」君」



準備が整った「」たちはアジト突入のついてのブリーフィングをおこなっていた

「」「俺はこのアジトに任務で入ったことがあるので提案があります」

「」「敵アジトの出入り口は3つと…秘密の抜け道が1つあるので」

「」「3つの入り口から俺と少年 同僚 ジョーンズさんがそれぞれ突入」

「」「抜け道の出口にはDが待機させ逃走してくる敵を撃破し敵を殲滅します」

ジョーンズ「いいんじゃないかなー」

「」「ありがとうございます ではみんな配置についてくれ‥‥健闘を祈る」


10分後「」たちはアジトへの突入を開始した


ー左出入口・同僚ー

【機会音声】……隔壁のロックを解除します‥‥

同僚「があああ!!さっきから隔壁!隔壁!!隔壁!!!隔壁!!!!

同僚「なんで俺のルートは隔壁ばっかで敵がいねえんだッ!!!」



ー中央出入口・ジョーンズー

妨害される事なく順調に通路を進んでいたジョーンズは、やがて演習施設へ辿り着く


ジョーンズ「逃げ場のない直線の通路だったのに どうして狙撃しなかったんだいルトー」

ルトー「そんなもので墜ちるお前ではないだろう?」

ジョーンズ「無駄弾は使ってくれない…か まったく手の内を知る者同士の戦いはこれだからー」

ルトー「リロードの隙を突かれて接近戦に持ち込まれたら分が悪いのでな」

ルトーの武装ではジョーンズの電磁シールドを破れず

重い発生器を背負っているジョーンズの機体ではルトーを捉える事が出来ない

とりとめのない会話をしながら、ジョーンズとルトーは攻撃の機会を窺う

やがて会話が無くなり、静寂が周囲を包んだ時___両雄は動いた



ルトーがレールガンを放った時、ジョーンズもまた射出していた

腕に装着されているキャノン砲ではなく、最強の盾である電磁シールド発生器を

ジョーンズは自ら手放したのだ

ルトーはジョーンズの奇策を予想していたのか、間髪入れずに左へと回避行動を取る

ジョーンズはビームキャノンをルトーではなく、電磁シールド発生器に向けて撃ち放った


シールドが展開されていない後方部分を撃ち抜かれた発生器は膨大なエネルギーを放出

それを観測してしまったルトー機の高性能カメラアイは負荷に耐え切れず機能を停止

ルトー機のコクピットは外界と隔絶した鉄の函と化した


最強の盾でもあり、己を地に縛る鎖でもあった発生器を手放したジョーンズは

疾風と成りてルトーに迫り

視界を奪われたルトーは戦場で培われた経験と勘

そして極限まで研ぎ澄まされた感覚でジョーンズを捉える



ルトーの銃撃をジョーンズは完全には避けず、僅かに機体を傾けるだけに留めた

ジョーンズにとって斧を持った右腕さえ無事なら左腕がどうなろうと構わなかったのだ


__奴は死んでいない、暗闇の中、ルトーは感覚だけで次弾の狙いをつける

ルトーの2射目が先か、ジョーンズの斬撃が先か

時間にして数秒に満たない、しかし両者にとっては無限にも感じうる数秒

時は過ぎ___互いを熟知した者同士の戦いの結末は


1.ジョーンズが勝利した

2.ルトーが勝利した

3.勝利者などいない


dice1d3=1 (1)




ルトー機を一撃で戦闘不能状態にしたジョーンズは

コクピットから降りてルトーの元へと向かう

ルトー機のコクピットハッチは斬撃で亀裂があいており、そこからルトーの姿が見えていた

斬撃はハッチを切り裂いていたが、ルトーには刃は到達しておらず無傷であったが

極限まで感覚を研ぎ澄ませて戦っていたルトーは疲労困憊に陥っていた

ルトー「‥‥トドメを‥‥刺さないのか」

ジョーンズ「裏切り者はその場で処刑___なんだけど」

ジョーンズ「「」君に護身用の拳銃を渡しちゃって…今丸腰なんだよねー」

ジョーンズ「…だから裁きは法廷で下してもらってよルトー」

ルトー「そうか…」

そう言うとルトーは気を失った

ジョーンズ「俺もまだまだ甘ちゃんだなー…あはは」



ー右出入口・「」 / 少年ー

少年「敵がいません…どういう事なんでしょうか」

「」(前と同じか…妨害も無くあっさりと侵入できた)

「」「理由は分からないけど 俺達が来るのを待ってるんだよ」

少年「ッ!それなら!ローネを誘拐なんてせず向こうが来ればいいんです!」

「」「‥‥そうだね___っと少年 戦闘準備」

「」の呼びかけに少年は臨戦態勢を取った

「」たちが到達した空間は広く、祭祀場のような厳かな雰囲気で満ちていた

ヘイロ「やあ軍人さん、それと哀れな少年、ようこそ我がアジトへ」

ヘイロが乗っている機体、それはスピナティオではなく

「」が数日前まで乗っていた新機体であった



「」「人の機体を勝手に使いやがって」

ヘイロ「軍人さん、あんたも勝手に刀を使ってる、お互い様だ」

少年「ローネを返せ!」

ヘイロ「ああ、あの紛い物ならそこにある、用はないから持っていけ」

ヘイロが指し示した場所には少女が横たわっていた

少年が脇目も振らずに少女がいる場所へ向かう

機体を降りて少女に近づき無事を確認した少年は、少女を機体へと連れ帰った

「」「随分とあっさり返してくれるんだな」

ヘイロ「今俺が用があるのは、軍人さんの方だ」

「」「・・・」

「」は近距離通信で少年に告げた

「」「少年‥‥奥の通路から脱出するんだ」



少年「えっでも一緒に戦えばこんな奴___」

「」「少女は気絶しているだけとは思うが…医者に見せた方がいいだろ」

少年「だったら僕が残って「」さんが…」

「」「俺はこのアジトでヘイロを追い詰めた事がある…だがその時の俺は」

「」「ヘイロがマクシオンの親玉なんて知らず‥‥安い報酬で見逃してしまった」

「」「その責任を取らせてくれないか」

「」「それに‥‥姫様を救い出すのはオッサンじゃなくて王子様だろ?」

少年「……僕は「」さんを信じます だから必ず勝ってください!」

「」「合点承知の助!」

少年は「」から託された少女をコクピットへ乗せ、奥の通路へと向かった

ヘイロ「今生の別れか?それにしては、質素だな」

「」「そりゃそうさ お前をブッ倒してすぐに合流するんだから」



「」(しかしどうするかな…俺の武器は残弾1発のバズーカと刀しかねえ)

「」(盾に仕込んだワイヤーガンはとっくに弾切れ…)

「」(…接近戦に持ち込んで叩き切るしかねえ)


「」はバズーカを背部ラックに取り付けると刀を構えヘイロに迫る

ヘイロ「剣の勝負か、いいだろう」

ヘイロはビームライフルを捨て、背部に背負っていたシザーソードを抜いて「」を迎えた

「」「?!マクシオンの機体すら豆腐の如く斬れる刀を受け止めた!?」

キャッツ{気を付けるんぬ!あいつは餓蝕粒子をソードに纏わせ強度を上げてるんぬ!}

「」「はあ!?餓蝕粒子は適応体とかじゃないと使えないって言ってただろ!」

キャッツ{つまり…あいつは適応体なんぬ}

「」「カッコつけずに少年と二人で戦えばよかったーー!」

キャッツ{もう遅いんぬ}



「」は一旦、ヘイロから距離を取ると半身を前に出した状態で停止した

ヘイロ「居合か?多芸だな、軍人さんは」

ヘイロはシザーソードを上段に構えたまま悠然と「」との間合いを詰める

「」(未来を予知してる上に機体性能も上回ってる奴を相手に勝つには…」

「」(…奴自身が言っていたな 予知も完璧じゃないって…)

「」(思いついた手段は1つ‥‥だが失敗すれば後はない1度限りの奇策___」

「」「___やるしかねえ!」



「」が右逆袈裟切りの構えに対し、ヘイロは上段にシザーソードを構えていた

シザーソードの刀身は「」の刀よりも長く、加えて上段からの振り下ろしは最速

どちらが勝つかは明白___そう「」が刀で切り掛かっていれば


「」が右腕に持っていたのは刀ではなく、背部に取り付けていたバズーカであったのだ

咄嗟にバズーカを斬ったヘイロの斬撃は「」に届かず地に吸い寄せられる

バズーカの砲身は切断されたが発射機構は健在、

このままではヘイロはバズーカの直撃を食らうだろう

この事態をヘイロは予測していたのか、シザーソードを2刀モードに切り替え

左手に持ったソードを盾としバズーカの銃口を遮る



砲身が斬られた瞬間、右脚に引っ掛けていた刀を左手で掴んだ「」は

左手の緊急パージを実行、左腕は刀を持ったままヘイロに向かって直進する

ヘイロの右腕に持ったシザーソードは振り下ろしの最中で動かせない

防御に使えるのは左手に持ったシザーソードのみ


「」はヘイロに選択を迫る

バズーカをソードで防ぎ、飛来する「」の刀に両断されて死ぬか

「」の刀をソードで弾き、バズーカの直撃を受けて死ぬか

ソードorバズーカ 二者択一の”選択死”を


如何に未来を予知できようと体は1つ、一度に対処できる事には限界がある

予知能力により慢心していたヘイロは「」の術中にはまったのだ



「」(勝った___)

「」が勝利を確信した時だった

ヘイロの機体が赤黒く変色し、「」の視界から消失する

「」「___?!」

ヘイロ「その程度か」

蹴りを食らった「」の機体は地に叩きつけられた

ヘイロ「軍人さんも‥‥所詮は神の手の上か」

ヘイロは興味の失ったおもちゃを見るような目で「」の機体を見下す

ヘイロ「さようなら、軍人さん」

そう言うと背中の餓蝕砲を展開し銃口を「」に向けた



「」はなんとか機体を動かし上空へと逃げようとした

「」(あれは連射できないはず…なら上に撃たせれば死ぬのは俺だけで済む)

「」「少年…すまん 少女を頼んだぜ」

キャッツ{何やってるんぬ「」!急いであいつに近づくんぬ!}

「」「何か策があるのかキャッツ!」

キャッツ{ぬが敵の機内にテレポートして餓蝕システムを乗っ取り餓蝕砲をそらすんぬ}

キャッツ{その間に「」は突撃して敵を無力化するんぬ}

「」「成功してもキャッツの身が危険だぞ」

キャッツ{…このまま一緒に消し飛ぶよりはマシなんぬ}


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用語解説

*餓蝕砲

発射地点から離れれば離れるほど攻撃範囲が増大していき広範囲を消滅させる餓蝕粒子を用いた兵器

高さ50キロ、直径30キロの円錐形状のビームを発射するような感じ


*キャッツのテレポート

ヘイロの乗る機体のコクピット部分は元はバイロン軍の実験機(アンノウン)を「」が鹵獲して機体に組み込んだものである

そしてキャッツはアンノウン機体を操る適応体であったので機体にテレポートして

餓蝕システムを乗っ取る事が可能なのである

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「」は反転しヘイロ機に向かって一直線に突き進んだ

餓蝕砲が発射されんとした瞬間、キャッツはテレポートでヘイロのコックピットへ侵入

餓蝕システムに干渉し砲身を右へ傾け「」を救う

発射された餓蝕砲は「」の機体には当たらず、アジト上部に大穴を開けた

大穴から差し込む夕日を背に「」は・・・


1.このままヘイロに向かって突撃する

2.ヘイロに緊急パージ(ロケットパンチ)した右腕をぶつける

dice1d2



「」「援護するぜキャァァァァツ!!!!」

動きの止まったヘイロに向かって「」は右腕の緊急パージ(ロケットパンチ)を実行した


ヘイロ「家畜如きが、邪魔をするな」

ヘイロはキャッツを蹴り殺そうとしたが、「」が射出した右腕が当たった衝撃で

機体は転倒、自身もシートに打ち付けられる

転倒したヘイロ機に体当たりをした「」はコクピットのハッチを開け、外に飛び出した


「」「なんちゃら粒子で強化された装甲は破れない だったら開けてやればいい!!」

ヘイロ機のコクピットハッチにある開閉装置にコードを入力し、ハッチを強制開放

機内に押し入った「」はヘイロを掴むと機体の外へと飛び降りた

ヘイロが咄嗟に降下ワイヤーを握り締めていた為、落下の衝撃は最小限であったが

「」とヘイロはお互いを掴み合ったまま地面を転がり、衝撃で「」は一瞬意識を失った



起き上がった「」は一緒に飛び降りたヘイロの姿が見えず動揺したが

20m程先に歩いているヘイロを見つけ、急ぎ走り寄る


「」の接近に気付き、振り返ったヘイロの顔は歓喜に満ちていた

ヘイロ「ははははは!すごいじゃないか!軍人さん!」

ヘイロ「俺の視た未来は全て!軍人さんの敗北だった!軍人さんはここで死ぬ運命だった!」

ヘイロ「なのに軍人さんは!覆した!神の掌に居ない!はははは!」


「」は、ジョーンズから預かったリボルバー式拳銃を構え冷たく言い放った

「」「神様気取りの詐欺師め 今から俺があの世に送ってやる」

ヘイロ「いや、俺は神じゃない、神を殺したい者だ」

ヘイロ「俺の予知、神の視点を覆した軍人さん、俺と手を組もう」

「」「…何だと?」



ヘイロ「連邦軍には、バイロン軍の侵略を止めるだけの戦力は、もうない」

ヘイロ「だが俺と手を組めば、マクシオン軍と連邦軍の戦力を合わせ、バイロン軍に勝てる」

「」「連邦軍を滅茶苦茶にしておいて‥‥今更協力だと?ふざけるな!」

ヘイロ「それは必要な犠牲だった、俺が軍人さんを、神を殺す者と確信する為の」

ヘイロ「軍人さんが神を殺してくれれば、俺は今後一切、連邦軍に手を出さない」


「」は悩んでいた、悩んでいなければコクピットハッチを開けた際、ヘイロを射殺していただろう

連邦軍の現戦力だけではバイロン軍に敗北する

しかし得体の知れぬヘイロと手を組めば、どんな災厄を招くか知れたものではない


「」(‥‥どっちを選択しても碌な事にならない か)

「」「俺の答えは‥‥こいつで決める」

「」はポケットからコインを6枚取り出し、それをハンカチに包みヘイロに投げ渡した



ヘイロ「…スリー・ポイント・シュート(三赦審判)か、粋だな軍人さん」

「」「裏社会の人間ならこれがどういうものか 知ってるよな?」

ヘイロ「ああ、俺もこのやり方は嫌いじゃない、…始めるぞ」

・・・・・・・・・

スリーポイント・シュート(三赦審判)とは

罪を犯した者を許すか殺すか、どちらを選択してもそれを不服として

関係者同士の争いが起こる場合に用いた審判法である

罪人にコインの表裏を選ばせた後、被害者(もしくは代理人)が用意した

6枚のコインを投げさせる

地面に落ちたコインの見えている面のうち、罪人が選んだ面の数だけ

弾丸を被害者(もしくは代理人)が持っているリボルバーに装填する

リボルバーに布を被せて目をつぶり、弾倉を回転させ止まったら

撃鉄を起こして罪人を1度だけ撃つ

その後の結末が何であれ、罪人・被害者の行動と神の意志が導き出した判決であるとし

関係者は粛々と判決を受け入れなければならなかった



余談ではあるが「左手は添えるだけ」という某バスケ漫画のセリフは

140回ものスリーポイント・シュートの代理人をつとめた伝説の代理人

カール・ブッキ氏の審判語録から引用したものであることはあまりにも有名である

「引き金を引く右腕に私の意志はなく、神の御意思によって動いている

私の意志は神の御意思(銃)を支える左手に添えられているのだ」

ーカール・ブッキー

民明書房刊『知られざる裁判の歴史』より



「」「選んでもらおうかヘイロ 表か裏か」

ヘイロが選んだ面は・・・

1.表

2.裏

dice1d2=1 (1)



ヘイロ「表だ、コインを投げるぞ」

黒は6枚のコインを天へと投げた


1が「表」2が「裏」

ダイスで出た数字がコインの見えている面です

1が出たダイスの数だけ弾丸を装填します

dice6d2=2 1 1 2 1 2 (9)



地に落ちたコインにヘイロが選んだ面は・・・3枚

「」は弾丸を3発装填しヘイロに皮肉を言い放つ


「」「神様はどんな人間にも公平でいらっしゃるようだ」

ヘイロ「公平?神が公平であった事など、一度もない」

リボルバー式拳銃にハンカチを被せ、「」は眼を閉じ弾倉を回転させる

弾倉の回転は徐々に収まっていき…やがて完全に止まった

「」は拳銃の撃鉄を引き起こす


「」「撃つのは一度、弾が出なければ‥‥俺はお前と手を組む」

「」「お前が選び俺は弾を装填した 最後は神の意志が引き金を引く」

「」「ヘイロ お前の未来はどうなってる?」

ヘイロ「…俺が言わなくても、撃てばわかる」



「」はヘイロを見据え、ヘイロもまた「」を見据えている

「」は狙いを定め___引き金を引いた


弾倉内の状態

1. 空

2. 弾丸

3. 弾丸

4. 空

5. 弾丸

6. 空

dice6d1=1 1 1 1 1 1 (6)


(上のダイスは間違いで本来のダイスはdice1d6です、これでは「」が6発撃ってます

…ですが全弾空を示しているのでダイスを振りなおさずに続行します)


「」「・・・」

「」はリボルバー式拳銃をしまい、ヘイロに告げた


「」「・・・約束は約束だ 俺はお前と手を組む」

ヘイロ「これからもよろしく、軍人さん」

ヘイロは右手を「」に差し伸べる

「」「手を組むとは言ったが慣れ合うつもりはないぜ」

ヘイロ「そうか、残念だ」



「」が機体に乗り込もうとした時だった

ヘイロ「軍人さん、餓蝕システムがある機体に乗ってくれ」

ヘイロ「軍人さんが乗ってきた機体では、神に勝てない」

「」「いいけどお前はどうするんだ?」

ヘイロ「奥に俺の専用機がある、足代わりに軍人さんの古い機体を借りる」


指示に従い「」が餓蝕機体に乗り込むと…コクピットには

疲れた顔をしたキャッツが寝そべっていた

「」「キャッツ!無茶しやがって」

キャッツ{…結果オーライってやつなんぬ}

「」「頼りになるキャッツだぜ 後でご褒美ちゅーる10個の刑だ!」

「」は顔を押しつけキャッツのモフモフを堪能した

ヘイロ「どうかしたか?軍人さん」

「」「キャッツとの触れ合いを楽しんでる」

キャッツ{?!いつの間にか「」が敵と仲良くなってるんぬ?!}



「」が機体の損傷確認をしているとヘイロが専用機に乗って戻ってきた

ヘイロ「待たせたな、軍人さん」

「」「それがお前の専用機か…もっと全身金色の悪趣味な機体かと思ったぜ」

ヘイロ「戦場で目立つ意味があれば、それも悪くない」

ヘイロ「そうだ軍人さん、これを渡しておく、役に立つはずだ」

ヘイロは盾を「」に渡した

「」「これはどうも タダならいくらでも貰うぜー俺は」



ヘイロ「ここに戻ってくる間に、軍人さんの古い機体には、俺が調べたバイロン軍のデータを入れておいた」

ヘイロ「あとは軍人さんの伝言を添えれば、”神滅計画”第一段階は完了する」

「」「え?伝言?このまま俺の仲間と合流しないの?」

ヘイロ「その場合、軍人さんの仲間は俺を殺そうとするが、その後どうなると思う?」

「」「・・・合流はやめとく」

ヘイロ「軍人さんには悪いが、しばらくの間、俺と行動を共にしてもらう」

残された仲間宛の伝言を旧機体に残した「」はヘイロと共に

餓蝕砲によって開いた大穴からアジトを脱出した

・・・・・・・・・

「」(こいつと手を組んで本当にいいのか?俺はまた過ちを犯そうとしてるんじゃ…)

自分に言い聞かせるように「」は小声でつぶやく

「」「間違っていたとしてもバイロン軍を撃退するには…もうこれしかないんだ」


「」「そういえば…さっき機体に置いてきたバイロン軍のデータって何なの?」

ヘイロ「近々行われる大規模な侵攻作戦の情報だ」

ヘイロ「バイロン軍は現在、ツウィン基地で侵攻準備中だ、”団長”もそこにいる」

ヘイロ「侵攻ルートは、ミウマ川を渡ってA砂漠を通過し、FI基地を陥落すつもりだ」

「」「ミウマ川を渡る?大軍で進軍するならあのデカい川なんて渡らないだろ」

ヘイロ「ああ、軍人さんの言う通り、敵の本隊は、川を迂回してB砂漠方面から来る」

「」「‥‥あー読めたぞ!敵の本隊は囮 本命は団長の少数部隊で…餓蝕砲で基地を消し飛ばす気だな」

ヘイロ「よくわかってるな、流石軍人さんだ」

「」「だってこの攻め方って以前バイロン軍がFI基地を襲撃した時と同じだし」

ヘイロ「あれは軍人さんがいなければ、作戦は成功して、FI基地は消滅していた」

「」「まじかだったら俺英雄じゃん! くそっもっと臨時ボーナスを要求しとくべきだったか」



「」「侵攻作戦が開始されるまでの猶予ってどのぐらいなんだ」

ヘイロ「そうだな、およそ・・・」

1. 1日

2. 3日

3. 5日

dice1d3=1 (1)



「」「1日?!ワンデー?!ナンデー!?」

ヘイロ「敵本隊は、”団長”の部隊よりも先にツウィン基地を出て、進軍してる」

「」「ヒラは早出で団長部隊は悠々と重役出勤…いや重役出撃か?」

「」「これ連邦軍の援軍呼んでも間に合わないよね?総皇のヘイロさん」

ヘイロ「安心しろ、マクシオン軍の戦力だけで、敵本隊の進軍は止められる」

「」「そりゃなんとも心強いことで…神さまこと団長はどうやって倒すつもりなんだ」

ヘイロ「それは軍人さんの役目だ、俺ができるのは」

ヘイロ「神へと続く道に、軍人さんを導く事だけだ」


「」「お前にとって俺はボーリングの玉で神はピンか?」

「」「まあいい せいぜいガーターにならないよう投げてくれ」

ヘイロ「ああわかってる、軍人さんは、ストライクを頼む」



「」は仲間たちと別れ、敵であったヘイロと手を組んだ

組んだその手は「」を破滅に誘う悪魔の手か

あるいは「」の窮地を救う菩薩の手か

「」の最後の戦いが始まろうとしていた

30MM戦記14話・終



今回のストーリはこれで終わりです

最後に生存特典を選択します

次回最終回なので生存特典は特殊なものです


1.「」はマクシオン軍の武器や装甲で機体を強化した

2.実は団長の少数部隊にはマクシオン軍の内通者がいる

3.連邦軍の援軍に小隊長も参加していて最終戦に駆け付ける

4.バイロン軍の穏健派(王族派)が寝返って味方になる

5.1~4全てのよくばりセット!


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