30MM戦記ー第4部ー15話 「ふたりの英雄」
「」はヘイロと共にFI基地に向かっていた
「」「なあヘイロ ちょっと聞きたい事があるんだけど」
ヘイロ「何が知りたいんだ、軍人さん」
「」「今向かってるFI基地の事さ いくらマクシオンの機体が強くても…」
「」「数万人は詰めてる巨大基地をどうやって短時間で大した抵抗もされずに占領したんだ?」
ヘイロ「軍人さん、数万の人間を無力化するのに、全員を拘束する必要はない」
ヘイロ「例えば軍の命令で、父、母、子供の仲睦まじい3人家族を捕縛するとして」
ヘイロ「軍人さんなら、どうやって、この3人を捕縛する」
「」「そうだな…俺なら父親を捕まえて何で逃げたか事情を聴くかな」
ヘイロ「命令は3人の捕縛だ、それでは残りの2人に逃げられる、この場合は子供だ」
ヘイロ「逃げれば子供を殺すと脅せば、1人捕まえるだけで、3人全員を捕縛できる」
「」「外道が…するとなんだ?基地にいる奴らの子供をさらって脅したのか」
ヘイロ「それは非効率だ、人数が多すぎる、例えで言いたいのは、そうじゃない」
ヘイロ「少数の人間を脅迫、懐柔すれば、残りの大勢を従える事ができる、という事だ」
会話の途中だったがFI基地から指示が入り、第一格納庫前へ着陸態勢に入った「」とヘイロ
着陸地点には数十人の人間がヘイロを出迎える為に待機していた
ファーグ「お待ちしておりましたヘイロ総皇」
「」「?!ファーグ基地司令?!!なん‥‥そういう事か」
ヘイロ「FI基地司令のファーグとは、10年来の友人だ、今回も色々と働いてくれた」
「」「ジャッジオブアナルと恐れられた基地司令が…まさかケツを掘られてたとはなぁ」
ファーグ「口を慎め 這いつくばらせて儂のケツを舐めさせてやろうか?」
「」「俺にそんな趣味はないので素直に謝りますよ 申し訳ありませんでしたガバケツ基地司令」
一瞬腰のベルトに手が伸びたファーグだったが、ヘイロの眼を気にしてかそれ以降の行動はしなかった
ーFI基地・第一格納庫ー
ヘイロ「すぐに整備と補給を、隣の機体も、だ」
「」「え?俺は今のままでいいけど」
ヘイロ「軍人さんは、敵陣を突破して”神”と戦うんだ、万全を期してもらう」
「」「へー”鉄砲玉”にフルメタルジャケットを施して下さるとは光栄です」
ヘイロ「気にするな、当たる前に砕け散られては、俺も”神”も興ざめする」
機体の整備作業を見守っていた「」はやがて・・・
1.ヘイロと会話した
2.ファーグ中将と会話した
dice1d2=1
「」「ヘイロ お前の専用機はどんな性能してるんだ?」
ヘイロ「俺の機体は、既存のアルトやポルタの、数百年先を行く技術で作られている」
ヘイロ「妨害電波を出されても、長距離通信が使える、他大陸への通信すら、単機で可能だ」
ヘイロ「装甲はビームの照射を30秒、ライフルやバズーカの直撃でも50発は耐える」
「」「すげぇ…あ!まさか予知で未来の技術見抜きしてる!?ひでえチート…」
「」「ヘイロだけで神さま倒せるんじゃねえかな…俺いるの?」
ヘイロ「俺が神と戦っても勝てない、勝利する未来が1つも視えない」
「」「‥‥お前が勝てないんだったら俺100%勝てないじゃん!」
ヘイロ「軍人さんは、技術でも機体性能でも俺に劣る、だが、”神”には負けない」
「」「つまり運とか根性で勝てと…泣けるぜ」
「」「なあヘイロ 最後の戦いの場所ってA砂漠のどの辺になるんだ」
ヘイロ「A砂漠B地区8-7、そこで神と戦う」
「」「あーあの辺か…じゃ俺はそろそろ寝るよ」
ヘイロ「そうか、明日の7:00にミーティングを行う、では軍人さん、よい夢を」
「」「おやすみー」
「」「‥‥杞憂で終わると思うけど…保険をかけておくか」
「」「実は‥‥‥‥そこをなんとか‥‥ああ助かるぜ‥‥‥‥場所は‥‥‥‥」
「」はある人物に連絡を入れた後、部屋に戻って眠りについた
翌朝・・・
1.「」はミーティングに出席していた
2.出席せずに基地内を散歩していた
dice1d2=1 (1)
敵本隊の足止め部隊を指揮する将官たちに、ヘイロは緻密な作戦を伝えていた
ヘイロ「___以上だ、何か質問のある者はいるか?」
「」(未来が見える奴のミーティングを初めて聞いたけど…)
「」(敵の動向や敵陣の手薄になる地点と時間まで分かるって反則過ぎるだろ)
ヘイロ「ないか、では各員は作戦時間まで、所定の場所で待機しろ、解散」
・・・・・・・・・・・
「」「それで俺にはどんな啓示をくれるのかな」
ヘイロ「特に、ない」
「」「え!?なんで?!さっきすごい緻密な作戦を部下に指示してたのに?!」
ヘイロ「奴らは、俺が動かし、望む未来へ進める為の、盤面の”駒”だ」
ヘイロ「忠実な駒だが、奴らは俺の予想通りの行動しか、できない、起こせない」
「」「そりゃ盤面の駒はルール通りにしか動かんだろ 縦横無尽に動いたらそりゃベーゴマだ」
ヘイロ「ベーゴマか、その通りだ、俺は軍人さんに盤面で暴れまわる事を、期待している」
「」「ならチェスボードの上だろうが将棋盤の上だろうがゴーシュートしてやるよ」
FI基地にいたマクシオン軍の大半は敵本隊の足止めの為出撃
「」とヘイロは”神”こと団長率いる少数部隊を奇襲するべくA砂漠に身を潜めた
ヘイロ「軍人さんは、A砂漠は機体の残骸が大量に埋もれて、レーダーが効かない」
ヘイロ「待ち伏せには、うってつけだ、加えて俺は、予知で敵の侵攻ルートが分かる」
「」「…なあヘイロ 神を倒したら戦争は終わるのか?」
ヘイロ「ああ終わる、神を倒しバイロンの侵攻部隊を、壊滅させる事ができれば」
ヘイロ「いくつかのプランがあるが、早いプランだと数か月、遅いプランでも今年中に戦争は終わる」
「」「へー…しかし最後の戦いがA砂漠で終わると思うと…なんだが不思議な気分だ」
「」「俺がF大陸に赴任して始めての任務が…深夜のA砂漠見回りだったなぁ…」
「」「すべてはここから始まりここで終わる…か」
ヘイロ「軍人さん、感傷に浸っている暇はない、正面3キロ先に敵部隊がいる」
「」「いつ仕掛けるんだ」
ヘイロ「軍人さんの仲間が6人、もうすぐ敵に襲撃をかける、その混乱に乗じて接近する」
「」「はあ?!それじゃあ俺の仲間は捨て石じゃねーか!」
ヘイロ「このまま戦争が続けば、軍人さんの仲間は、全員死ぬ」
ヘイロ「だが今戦って戦争が終われば、死なない可能性が高い、いずれにしても、もう遅い」
「」「クソッ!みんな…死ぬなよ…っ!」
ヘイロの予知通り、敵少数部隊にジョーンズ、同僚、D、少年が向かっていた
同僚「そろそろ情報の地点に到着か 腕が鳴るぜ」
D「餓蝕砲(ガショク)を撃たれたら最後…中央防衛線を維持できずF大陸は墜ちるぞ」
少年「FI基地には人がたくさんいるんだ!人も物も全て消してしまうあの武器は…絶対に使わせない!」
ジョーンズ「全機突撃!敵陣を突破し敵の対要塞兵器を破壊する!」
同僚・D・少年「了解!」
ザンフォグ「団長ォ!敵を視認しやした!ケツから来やす!数は…4!」
団長「たった4機って…見回りの部隊? すぐに片付けちゃってよ」
ザンフォグ「片付けは誰にやらせやすか団長」
団長「各員相談して好きな奴と戦えばいいんじゃないの」
ザンフォグ「‥‥じゃ あっしはここに残って団長を護衛しやす」
団長「珍しいねえ~血気盛んなザンフォグが残るなんて」
ザンフォグ「いやー団長と呑気に話している間に他の奴らが行っちまいやした!がはは!」
団長「長距離通信はジャマーで潰してるからそんなガッつかなくても…」
団長「まっ決断が早い奴は嫌いじゃないけどさ」
ジョーンズ「敵がこちらに気付いた 上空から2機!足の速い奴が来るよ!」
同僚「ジョーンズさん あの飛んでる奴には借りがあるんで俺が食い止めます」
同僚「その間にジョーンズさん達は進んでください!」
ジョーンズ「‥‥わかった キール君戦闘後に一杯奢るから__そのつもりでね」
バイロン軍・ツウィン基地の双翼、マウラ・ブットとガリ―・タッカが同僚に襲い掛かる
マウラ「ガリ―!まずはあの尖がった青い奴を仕留めてから 他の3機を叩きに行くよ!」
ガリ―「一人で十分だと思うが!いいだろう!マウラは左から行け!俺は右から行く!」
同僚「2対1かよ!?つえーくせに肝が小せえな!」
ガトリングとビームで弾幕を張ったが、精鋭2機を同時攻撃できるほど…同僚は器用ではなかった
マウラ「脇が甘いよ連邦の坊や!」
マウラのビームライフルが同僚をロックオンした_____瞬間
同僚ではない機体からロックオンされ、マウラは咄嗟に回避行動を取った
マウラ「なんだ?!もう1機潜んでいたってのかい!こざかしいねえっ!」
同僚「誰だ?!…「」か!?」
小隊長「「」の方が良かったか?キールもう少し気を配って戦え 死ぬぞ」
同僚「小隊長!!どうしてここに?!」
小隊長「お前らがまたやらかしたって聞いて”オアシス”に”流してた”俺の機体で飛んで来た」
同僚「あーその…「」が悪いんです 俺は巻き込まれただけです」
小隊長「話は後で聞く 先にバイロンの鳥共を墜とすぞ」
同僚「了解です小隊長!」
ガリ―「いいぞ!戦いはこうでなくてはな!面白い!!」
マウラ「はぁ…面倒になっただけじゃないさ」
ガリ―「ならここで見物しているか!?俺は行くぞ!!!」
マウラ「待ちな!フォーメーション組んでから突っ込むんだよこの脳筋!」
*オアシス
三大民間軍事会社(PMC)の1つ
基本的に傭兵は三大PMCのオアシス、ウーニィ、バードゥサのいずれかに属している
小隊長&同僚 VS マウラ&ガリ―
この戦いの結末は・・・
1.決着つかず
2.小隊長達がガリーを撃墜した
3.小隊長が・・・
dice1d3=3 (3)
小隊長と同僚は手数の多さでは敵より優っていたが
連携と技量においてはマウラとガリ―の方が上手であった
小隊長「キール!10秒後に弾倉を交換する 援護しろ」
同僚「小隊長!あとちょっとで当たりそうなんです!!‥‥あっ?!弾がっ!」
小隊長「まずい!キール逃げろ!」
マウラ「揃って弾切れかい?!行くよガリ―!」
ガリ―「応!!!」
ガリ―とマウラの攻撃により損傷を受けた同僚に向かいつつ、小隊長はスモークを発射
一時的に敵の目を遮ったものの、脚部をやられた同僚の末路は目に見えていた
小隊長「キール俺のバックパックを装着して…すぐにここから離脱しろ」
同僚「俺はまだやれます!それに俺が逃げたら小隊長は・・・」
小隊長「ここにお前が残っても 敵はお前をやった後に俺をやるだけだ…犠牲は一人でいい」
小隊長「俺は4年前の百騎戦役で仲間をすべて失った‥‥俺はそいつらに会いに行く」
この人は一度決めた選択を曲げない___同僚は小隊長の意志の固さを知っていた
小隊長「お前は生きろ それが俺の‥‥最後の頼みだ」
同僚「…っ!」
小隊長はその後、たった一人でマウラとガリ―と戦った
小隊長「勝てねえなこれは…だがよ 時間は稼がせてもらう」
フルツ・ワモン(小隊長)
A砂漠にて敵部隊と交戦、精鋭2機を相手に奮戦するも戦死
ジョーンズ「敵の二陣!来るよ!」
D「中央の機体はまさか…っ!”沈黙のマグサ”か」
D「本人の技量も高い上に指揮官としても優秀なパイロットだ」
ジョーンズ「へーじゃあ早めに潰さないとまずいね よし!決めた」
ジョーンズ「ここは俺が引き受けるからD君とネイス君はこのまま前進して」
少年「相手は3機ですよ?!」
ジョーンズ「ここで全員残って戦えば…相手は防御に徹して時間稼ぎをするよ」
ジョーンズ「敵の目的は俺達の撃破じゃなくてFI基地を消滅させる事だからねー」
ジョーンズ「敵が今されたくない事は…最低限の戦力を残し前進される事だ」
ジョーンズ「この中で一人で敵部隊を足止めできるのは…俺しかいないよね?」
少年「けど…っ」
ジョーンズ「大丈夫だよー俺にはとっておきの切り札があるから」
ジョーンズは鉄壁の電磁シールドで敵の攻撃を無効化していたが
敵部隊はマグサの的確な指示で間断なく攻撃を続け”城壁”を崩しにかかる
ジョーンズ「シールド生成率60%…このままだとエネルギー生成が間に合わなくなるねーこれは」
ジョーンズ「そういう事で”切り札さん”出番だよ」
?「相変わらず人使いが荒いなジョーンズ」
マグサ「‥‥‥‥!」
突如、背後を見せたジョーンズに、マグサの部下はその隙を逃すまいと突撃を開始
しかしマグサは部下に攻勢に出ず防御に徹するようサインを出した
ジョーンズ「外れてるよルトー!腕が落ちたんじゃない?」
ルトー「昨日誰かさんに腕を切られたからな 調整が間に合っていない」
ジョーンズ「うーん 腕じゃなくてその減らず口を切るべきだったかー」
少年「…ジョーンズさんとルトーさんは大丈夫なんでしょうか…」
D「バイロン軍でも恐れられた”砂漠の要塞”の2人だ 心配の必要は____」
ザンフォグ「今のを避けなさるたぁやるねえ白いの!名を聞かせもらっていいですかい?」
少年「オープンチャンネル?!こんな時にっ!‥‥僕はネイス・ミルズです!」
ザンフォグ「声がえらく若い…子供?がはは!子供があんな動きをするたぁ驚きだ!」
少年「教えてください!あたな方はなぜ地球侵略なんてするんです!」
ザンフォグ「なんで侵略するかって?あっしの理由はただ戦いたいからですかねえ」
少年「ふざけているのか!」
ザンフォグ「っと今のは理由の半分ですぜ 残り半分はバイロン星に住む人らの幸せの為でさぁ」
ザンフォグ「例えばこの世は人間が100人しかいない世界だったとしやしょう」
ザンフォグ「その中で幸せになれるのは どんなに頑張っても半分の50人が精々」
ザンフォグ「一人が幸せになると他の誰かが割を食う これが世の摂理ってやつなんですよ」
少年「つまり僕たち地球人には…バイロン人の代わりに割を食えってことですか」
ザンフォグ「理解が早くて助かりやす!でも無抵抗で従えって訳じゃありやせんぜ」
ザンフォグ「嫌なら力づくで止めりゃいい その方がお互いスッキリってもんだ」
少年「‥‥話し合いで解決できませんか」
ザンフォグ「あっしは強硬派なんで!話し合いは穏健派とどうぞ」
D「ネイス 私の代わりに団長を‥‥国王の仇を討ち取ってくれ ここは私が引き受ける」
少年「…ディナンさん それは本気ですか」
D「ああ ただし勝てないと判断したら…君と一緒に搭乗されているローネ様の安全を優先しろ」
少年「わかりましたディナンさん 後を頼みます!」
ザンフォグ「その声…誰かと思えばディナンじゃねえか 見ないと思ったらまさか裏切ってるとはなぁ」
ザンフォグ「まぁ野暮な詮索はしやせん さぁ純粋に戦いを楽しみましょうや!」
D「‥‥手加減はしない」
ザンフォグ「そいつはありがてえ!」
始めは射撃戦を繰り広げていた両者であったが、勝負は決まらず
やがて弾薬が尽きた二人は接近戦に移行した
ザンフォグ「サシの撃ち合いじゃ埒が明かねぇ となりゃやるこたぁ1つ」
D「接近戦を仕掛けるしかない」
ザンフォグが放った大戦斧の横薙ぎを、右腕の盾で受けつつ上方へと逸らし
大戦斧の柄で最も負荷が掛かっている箇所に刀を叩き込み、Dは大戦斧を断ち切った
ザンフォグ「俺の自慢の斧が易々と?!こいつぁヤバイ!」
後退するザンフォグをスラスター全開で猛追するD
最大の武器を失い窮地に立たされたザンフォグ
だが彼は・・・嬉しそうに笑っていた
突如ザンフォグは姿勢を変え、地面に這うように手を添わせた
ザンフォグ「そんだけ速けりゃ こいつぁ避けられねぇぜ!」
ザンフォグが土中に隠していたのは2本の大戦斧
速度が乗った状態で迂闊に避ければ体勢を崩し
半端に受ければ刀を弾き飛ばされ両断される
D「ならば___!」
ザンフォグの大戦斧に真っ向から”太刀向かった”
見事斬撃を受け止めたDだったが・・・
ザンフォグの左腕に握られた2本目の戦斧が
Dの無防備な右半身へ喰らい付こうとしていた
ー D(ディナン)VS ザンフォグ ー
この勝負の結末は・・・
1.Dの勝利
2.決着つかず
3.ザンフォグの勝利
dice1d3=1 (1)
戦斧の軌道を見切り、紙一重で躱そうとしたDだったが・・・
ザンフォグ「そいつぁ__通りやせんぜ」
戦斧に仕込まれていたビームソードが、Dのコクピットへと___
D「いや通らせてもらう」
Dは腰装甲に仕込んでいたビームソードで窮地を脱したDは
勢いを殺した大戦斧を切り上げ
ザンフォグの振り上げられた両手を一刀のもとに切り伏せた
ザンフォグ「隠し武器を使うなんざ‥‥感心しやせんねぇディナン」
D「貴様が使わなければ 私は使うつもりはなかった」
ザンフォグ「そいつをもっと早く聞きたかったですぜ・・・」
ザンフォグ「負けは負けだ 煮るなり焼くなり好きにすりゃいい」
ザンフォグ「敗者のあっしは勝者に従いますぜ」
団長「1機こっちに来てるじゃないの・・・何やってんのうちのエース連中」
団長「ハエはこっちで追い払うから 君らはこのまま予定通りに行動してよ」
餓蝕(ガショク)砲を2門搭載した機体と護衛の試作機2機に命令を出した団長は
少年を迎え撃つべく槍を構えた
少年「前にいる機体__顔がドクロだ!つまりあれに乗っている人が団長なのか!」
少年「餓蝕砲の発射を防いであの人を倒せば…戦争は終わるんだ!」
団長「ん~?どっかで見たと思ったら…あれ前に強奪しようとして失敗した奴じゃない」
団長「向こうからわざわざ来てくれたよ」
少年 VS 団長
dice2d100=1 89 (90)
少年はビームライフルと試作兵装-037-極束ビームキャノンを発射
極束ビームキャノンは要塞の外壁すら貫通する威力を有している
しかし団長はそれを左腕で弾き飛ばした
団長「ちょっと重いだけでなんて事はないな まっ連邦軍にしてはやれる方?」
少年「防がれた?!‥‥そうか…同じところから撃っているからダメなんだ!」
少年「キャノンを分離させる!」
少年は試作兵装を分離させ、シールドライフルとバックパックの砲撃による
クロスファイアで団長を攻撃した
団長「思い切りがいいね~いま猫…はいないから膝の手を借りよっと」
団長「もう終わり?なら次はこっちの番ね」
少年の分離攻撃が失敗に終わると団長は一気に少年との距離を詰める
前方から刺突/斬撃を変幻自在に繰り出す団長の十字槍に加え
死角からの浮遊手の攻撃に押され、少年は地へと叩き伏せられてしまう
少年「諦めるな僕!何か…何かないの?!」
団長「粘っても無駄だって もう楽になったら?」
「」「不意打ちショッ!!!」
「」の放ったビームは団長の機体の胴体に命中し、少年の窮地を脱した
少年「「」さん!?あっ助けて頂いてありがとうございます」
「」「いいってことよー」
少年「「」さんが団長って人を倒したので後は____」
「」「っ少年!そいつから離れろ!今すぐに!」
団長「あーあ、誰~?1対1の勝負に横槍入れる奴は」
団長「…もう遊びはやめ、手加減抜きで潰す。」
団長の白いドクロの機体は、一瞬にして血と漆黒に染まった
少年「そんな…っコクピットにビームが直撃したのに?!」
「」「少年!落ち着いて聞いてほしい あいつは神で不死身だ」
少年「え?!神?!不死身?!どういう事なんですか「」さん!」
「」「ヘイロから聞いたんだが…原理は理解できなかったけど要約すると」
「」「あいつは他の銀河から来た生命体で優に数十万年は生きてるらしく」
「」「奴は身体…物質が本体じゃなくて”空間に記録された移動するデータ”が本体だ」
少年「え?‥‥‥‥え?つまりあの人は‥‥幽霊なんですか?!」
「」「あっ幽霊!それ近い!幽霊がその辺の物で身体を作って襲い掛かってくるけど」
「」「身体を破壊してもその辺にある物でまた身体を作って襲ってくる感じ」
「」「まあつまり…物理攻撃も聖水やお経も一切効かない幽霊だな!」
少年「どうやって倒すんですかそんな化け物?!」
「」「物質を破壊するんじゃなく___空間ごと消滅させればいいのさ」
「」「キャッツ!餓蝕システム起動!」
キャッツ{餓蝕粒子”召喚”を開始___システム…起動}
システムの起動と共に「」の機体は赤黒く変色した
「」「少年はあの厄介な”飛んでる手”を抑えてくれ!」
少年「わかりました! 「」さんのライフル…お借りします!」
シザーソードの斬撃を団長は容易く受け止めた
団長「その機体、餓蝕システムのテスト機体じゃないの。」
団長「改造してるみたいだけどさぁ、こっちの方が性能上なんだよね。残念だけどさ。」
「」「オープンチャンネルで会話するほど余裕あるんだな 今から忙しくなるぜ!!」
「」はシザーソードのモードを2刀モードに切り替え、左手で団長の脚部を斬りつけた
団長「そんな見え透いた手、通用すると思ってんの?。」
「」「神様__見落としてるぜ?」
「」が左手で斬撃を繰り出す前に足元へ落とした盾から
餓蝕粒子を纏ったクナイが飛び出し、団長の右手を切断した
「」はすかさず団長を袈裟切りに切りつけ、力なく倒れた団長を容赦なく切り刻んだ
「」「復活できないぐらいバラバラにしてやるぜーーーー!!!」
「」「餓蝕粒子纏ったソードでこれだけ刻めば空間にあるデータも消えただろ…」
「」「っと盾を回収しないと…マクシオン軍製の盾とか後で高く売れそうだし!」
少年「___?!「」さん後ろ!」
「」「ん?後ろ?‥!!!」
「」の背後には異形の手があった
団長?「あ~おしい、もうちょっとで握り潰せたのに。」
「」「どうなってるんだ?!コクピット潰して機体をバラバラにしたんだぞ!?」
団長?「‥‥その口ぶり知っているな、半端に。」
団長?「実はさ~空間に存在する魂(データ)はね、切り刻まれようが完全復元できるんだ。」
「」「?!」
団長?「あ、全部まとめて吹き飛ばせる餓蝕砲を撃てばいい、と思ってるでしょ?。」
団長?「そんな隙は、もうないよ。」
団長__神の機体はもはや人型と呼べる物ではなく、邪神と形容すべき形へと変貌した
「」「グロっ…!速っ!?これじゃ餓蝕砲の狙いを付けてる間にやられちまう!」
ヘイロ「苦戦しているようだな、軍人さん」
「」「その声は…ヘイロか!?」
ヘイロ「こっちは片付いたが、そっちは軍人さん達が、片づけられそうだな」
「」「未来予知できる奴にそう言われるとマジで絶望するからやめて」
ヘイロ「軍人さん、さっき渡したスイッチを押せ」
ー 数十分前 ー
ヘイロ「俺は餓蝕砲を搭載した機体を潰しに行く、神は軍人さんに任せた」
「」「OKヘイロ!神なんてバラバラにしてやるぜ!」
神と戦う少年に加勢しようとする「」にヘイロは謎のスイッチを渡した
「」「何だこれ?押すと100万円貰えるスイッチ?」
ヘイロ「神との戦闘で、勝てないと判断したら、それを押せ」
「」「‥‥押したら俺の機体が自爆するとかじゃないだろうな」
ヘイロ「それは無い、神に誓ってもいい」
「」「神を殺そうとしてる奴の誓いって神殺したら反故にされそう…」
ヘイロ「確かに、それでは軍人さんに誓おう、そのスイッチは軍人さんには危害は無い」
ー現在ー
「」(このままじゃ俺も少年も…死ぬ)
「」(このスイッチを押すか…?この明らかに怪しいスイッチを…)
「」はヘイロに渡されたスイッチを・・・
1.押した
2.押さなかった
dice1d2=2 (2)
「」はスイッチを・・・押さなかった
ヘイロ「なぜ、押さない、軍人さん」
「」「押したらどうなるか言えよヘイロ」
ヘイロ「軍人さんと共に戦っている、子供の機体が、強化されるだけだ」
「」「もっと詳しく言ってくれ でないとスイッチを破壊するぞ」
ヘイロ「餓蝕システムを、強制的に発動させて強化するだけだ」
「」「いつ少年の機体に仕込みやがった」
ヘイロ「あの機体は、俺の息が掛かった研究所で作られた、つまりそういう事だ」
「」「最初からかよ…クソが」
ヘイロ「押さなければ、軍人さんと子供は死ぬ」
ヘイロ「押せば、子供の機体は餓蝕粒子を際限なく”召喚”し続ける、そのまま戦い続ければ___」
ヘイロ「やがて餓蝕機体が振り撒く粒子で空間は満たされ、機体を中心に周囲20キロ内の物質は消滅する」
ヘイロ「この方法以外、神を倒す方法は、ない」
「」「俺に少年と少女を捨て石にして逃げろって?死んでも嫌だね」
「」「作戦は中止だ 俺が団長を食い止めてる間に少年を離脱させる」
ヘイロ「・・・だそうだ、軍人さんは自分を犠牲に、子供たちを生かすつもりのようだ」
「」「…?誰と話している」
ヘイロ「軍人さんと、子供にだが?」
「」「 ?! 」
・・・・・・・・・
ヘイロの通信は「」だけではなく、少年の機体にも入っていた
・・・少女が少年の手に自らの手を重ねる
振り向いた少年は少女の表情からすべてを察した
少年「ローネ?‥‥そうだね 僕もローネと同じことを考えてた」
少年「ヘイロ!機内から餓蝕システムは起動できないんですか!」
ヘイロ「ああ、できる、起動方法は___」
「」「バカな真似はよせ!死ぬ気か?!」
少年「このままだと全員死んじゃうんです だったら…僕たちが犠牲になります」
少年「今まで助けてくれてありがとうございます‥‥僕たちの分まで生きてください「」さん」
少年は餓蝕システムを起動、白き機体は漆黒の飢体(キタイ)へと変貌する
団長「ほ~、餓蝕粒子を召喚したか。適応体は誰だ?。」
少年「何をごちゃごちゃと!ローネしっかり掴まってて!速度を上げる!」
団長「ローネ?・・・、あ~、もしかして脱走したスペア拾った?。」
少年「ローネは一人だけだ!スペアだなんて…まるで物みたいじゃないか!」
団長「いや、ローネは2人いるんだって、本物はこのアヴァス・ガヴァスにある。」
団長「まっ、本物は脳ミソだけだから、人としてのローネは、君が侍らせてるスペアって事になるか。」
「」「‥‥何を…言って‥‥いる?」
団長「だぁから~、生体パーツは劣化するから、スペアとしてクローンを作ったんだって。」
少年「?!」
神「クローンの脳にローネの記憶をコピーしたけど、急速培養だから身体の成長が均等じゃなくてさ。」
神「なんか喋れないけど、どうせ脳ミソ以外は捨てるし!って研究所に放置してたの。」
神「そしたら脱走してさ、探しても見つからなかったんだ。いや~見つかってよかった。」
少年「‥‥この 人でなし!!人を何だと思っているんだ!!!」
神「神に供物を捧げる動物。というかその為に数万年前に人類を作ったんだけど?。ちょっとは敬ってよ。」
神「あっ神様って呼ぶのが嫌なら、名前で呼んでもいいよ。バイロン様ってさあ。」
少年「もういい お前は神じゃない…ただの外道だ!地獄に落ちてしまえ!」
ヘイロ「どうした、軍人さん、逃げないのか」
ヘイロ「そこにいても死ぬだけだ、子供の死は”必要な犠牲”、気にすることは無い」
「」は少年を置いて・・・
dice1d1=
1.逃げなかった
「」「俺は__少年を身代わりにする為に助けたんじゃない!」
ヘイロ「助けに行くつもりか?無駄だ、逃げた方がいい、子供はもう助からない」
「」「行くさ 分の悪い賭けは大好きなんでね」
「」「キャッツ!餓蝕砲発射スタンバイ!近距離通信で俺が少年に退避を呼びかける!」
「」「少年が餓蝕砲の有効範囲から外れたら神へぶっ放してくれ!」
キャッツ{無茶…って言っても聞きそうになんぬ 外れても文句はなしなんぬ}
「」「そんときゃ俺もキャッツも無駄死にだから頑張れ!」
少年「くっ…斬っても斬ってもすぐにパーツが生えてくる…っ」
神「餓蝕粒子を束ねたソードは物騒だけどさ、消滅範囲が狭いんだよねえ~。」
その時、少年の機体に「」の通信が入る
「」「少年!今すぐ後退しつつ横へ移動!」
少年は「」の突然の指示に、即座に従った
神「逃げる?ああ、お仲間が餓蝕砲で狙ってる?じゃ逃げよ。」
神は機体の頭を切り落とし、落下する頭を掴んだ浮遊手は上空へ逃れた
少年「…させない!!」
少年はソードを投擲、指を斬られた浮遊手から頭が零れ落ちる
神「ちょっ、撃つのストップ。」
「」「誰が止めるか!オラッ発射!!」
キャッツ{不安定な姿勢で撃ったから餓蝕砲が壊れたんぬぅ!}
「」「ならパージして機体を軽くする!」
少年「「」さん!どうして来たんですか?!」
「」「少年!その機体から降りて俺の機体へ乗れ!早く!」
キャッツ{___?!まだバイロンは生きてるんぬ!}
「」「なんだって?!」
「」は急加速して少年の機体にぶつかった
「」(回避__間に会わない___ソードを盾に___溶け__」
「」「脚部緊急パージ!」
団長「今ので死なないのかあ、めんどっ。でも足は潰せた。」
「」「くそっ!手から全身が生えてくるとか反則だろ…っ!」
少年「「」さん?!無事ですか!?「」さん!」
「」「‥‥なあキャッツ キャッツのテレポートってキャッツ以外も一緒に飛べる?」
キャッツ{ぬ?普通は無理なんぬ でも餓蝕粒子で満たされている今なら1人か2人なら__}
「」「ヨシ!今すぐ俺を少年の機体のコクピットへ!早く!」
キャッツは「」と共に少年の機体のコクピットへテレポートした
少年「えっ「」さん?!なんで?!…」
「」「キャッツ少女の肩に乗れ!今からそっちに少年を押し込む!」
「」「そしたら二人を連れて俺の機体にUターン・テレポートだ!」
「」は少年をキャッツの方へ押していく
少年「僕は残ります!「」さんはローネを連れて逃げ…」
「」「少年…いやネイス____達者でな」
それが少年ネイスの見た、「」の最後の姿だった
キャッツ達がテレポートした後、信号弾を発射した「」は焦っていた
「」「‥‥‥‥まだか…頼む来てくれっ!」
その時、機体のレーダーが接近する機影を捉えた
機体に接近する機体の識別信号は___「」の旧機体であった
シゲ「おおーい「」!なんじゃこりゃあ!!戦闘しとるなんて話が違うぞい!」
「」「待ってたぜシゲじい!昨日話してた配達物はこれだ!」
「」は上半身だけの、少年と少女が乗った機体をシゲじいに渡した
「」「さあこいつを持って全速力で離脱してくれ!っとその刀は使えるな」
シゲ「せめて説明ぐらいせんか「」!」
「」「もう時間が無い! 頼むシゲじい」
シゲ「この老いぼれより先にいくつもりか?」
「」「そんなつもりは無いさ ただ神様とタイマンするだけだ」
シゲ「‥‥終わったら店へ顔を見せに来い」
「」「ああ」
「」「さあ神様‥‥第二ラウンド開始だ」
神「まだ諦めないの?、付き合う身にもなって欲しいなぁ。」
神「君さ~空間に餓蝕粒子を満たして、相討ちを狙ってるでしょ。止めた方がいいよ。」
「」「今更命乞いか」
神「いやさ、その機体に適応体いないよね?。なら粒子を”召喚し続けてる”のは君だ。」
神「でも残念ながら君は適応体じゃないから、体を蝕まれる。もう体の末端は変異してるでしょ。」
「」「・・・」
神の指摘に間違いは無く、「」の指先は赤黒く変色していた
神「もうさ、空間に粒子が満ちるまで持たないよ、君。」
神「戦えば戦うほど、粒子が満ちれば満ちるほど、身体を蝕まれるんだから。」
神「それにさ~、君が必死に与えた損傷も…はいっ元通り。」
神「神らしくちっぽけな君の運命を決めてあげよう、このポケットに入ってたサイコロ振ってさ。」
神「君の運命は・・・」
1.何も成せず無意味に死ぬ
2.己の無力さを嘆きながら死ぬ
3.死の恐怖に耐え切れず発狂する
dice「」「知らないのか?神はサイコロを振らないんだよ」1d3=
「」「俺の運命は___俺が決める」
1.俺はお前と共に消え去る
2.俺は神を殺した男になる
dice1d2=1 (1)
団長「そんな馬鹿な?!、この膨大な粒子召喚量は…まずい!空間の限界に達する!。」
団長「辞めろ!。辞めれば何でも!地球の全てをお前にやる!。」
「」「マジで?!でも遠慮しておく 俺の身体はもう駄目そうだし」
団長「母なる宇宙の痕跡を永劫に遺す。その為に空間を跳躍し、別次元へと至る___」
団長「この身は!、宇宙の意志を果たす役目を担っているのだ!。」
団長「お前のような。消えていいゴミとは違う!!!。」
「」「俺のようなゴミにやられちまうなら___所詮その程度のものだったのさ」
団長「アアァァ!!!!!消える!消えてしまう!嫌だ!消えたくない!!消え__」
「」「・・・」
1~9.「諦めなバイロン 俺と共に‥‥虚無へと墜ちろ」
10.「神様はすぐ諦めるんだな___俺は最後まで”生き残る可能性”を 信じてるぜ」
dice1d10=5 (5)
地球連邦軍とバイロン軍の戦争は
一人の人間と神の消滅によって、急速に終焉へと向かった
バイロン政府と軍を裏から操っていた神…”団長”の消息不明に浮足立ったバイロン軍へ
ディナンとザンフォグが王族であるローネを連れて帰投
すぐさま王族ローネの名の元に、停戦命令が軍に下された
・・・”団長”という絶対者の後ろ盾を無くした強硬派に、その命令に背く力は無かった
マクシオン軍・総皇ヘイロは地球連邦政府、ならびに連邦軍内のシンパに呼びかけ
バイロン政府と停戦協定を結ぶように働きかける
突然の停戦に反発し、撤退するバイロン軍に攻撃を仕掛けようとする兵士たちもいたが
信望の厚い”砂漠の要塞”のケイパ、ジョーンズ、ルトーの説得に応じ
停戦を受け入れるのであった
こうして・・・4年にも及ぶ地球とバイロン星の戦争は終結した
後世の歴史書には「」の名前は無く…少年、ネイス・ミルズの名が刻まれている
英雄ネイス・ミルズ
戦争で家族を失った少年ネイスがF大陸で偶然出会った少女は
バイロン王家の生き残りであるローネ姫であった
バイロン軍の襲撃の最中、ネイスは導かれるように、連邦軍の極秘に開発していた
人型兵器へと辿り着き、それを駆ってバイロン軍部隊を撃退する
その後、FJ基地の損害を最小限に食い止め、FI基地を襲撃しようとする敵新兵器を倒し鹵獲後
敵の手に落ちたFN基地の奪還作戦で大きな功績を遺す
バイロン軍最後の大攻勢の折、
「敵部隊の本隊は囮、敵の狙いは少数による奇襲である」と敵の狙いを看破
”砂漠の要塞”ルート―とジョーンズを率い、わずか3人で奇襲部隊と交戦
奇襲部隊を壊滅させ、部隊を率いていたバイロン軍司令官を見事討ち取り
戦争を集結へ導いたネイスは、バイロンの姫と共に地球とバイロンの復興に尽力した
少年・・・ネイス・ミルズはなぜ、戦争を終結させた英雄として歴史に名を残したのか
ネイス本人は戦争を終わらせたのは「」だと主張した
しかし、マクシオン軍・総皇ヘイロの言
「死んだ英雄に民衆は救えない、戦争を生き残った英雄に民衆は希望を見る」
その発言を聞いたネイスは、私情を捨て英雄になる事を承諾した
それが生き残った自分に課せられた贖罪と思えたのだろう
マクシオン軍の存在は消され、連邦軍が極秘裏で開発していたスピナティオの暴走とされた
ネイスの英雄伝に邪魔となる、「」のあらゆる記録や痕跡は抹消され
「」の存在は…戦争で共に戦った者たちだけが知るのみとなった
・・・戦争を生き延びた者たちは戦後、どのような人生を送ったのか
これより先は、歴史書には記されていない記録
・同僚(キール・メッチ)
1.戦後は教導隊へと異動、多くの部下を指導し、恐れられつつも慕われる教官となった
2.軍に在籍し続け、「対テロ部隊に鬼のキールあり」と恐れられる存在となる
3.軍を辞めたキールは牧師となり、戦没者に追悼を捧げ続けた
・キャッツ
1.ネイスとローネに飼われ、何不自由なく日々を過ごした
2.ある日忽然とネイスとローネの元を去り、その後の消息は不明
3.ネイスたちの元を離れ、名前の刻まれていない墓の前でよく昼寝をしている
同僚 / キャッツ
dice2d3=3 1 (4)
dice2d3=3 2 左からマウラ&ガリ―、ザンフォグの順
マウラ・ブット / ガリ―・タッカ
1.軍に在籍し続け、バイロン軍の双翼として語り継がれる存在となった
2.軍を辞めた二人は旅行会社を立ち上げ、地球・バイロン星の文化的交流に一役買っている
3.当てのない旅をすると言って軍を辞めた二人の消息は不明、今もどこかで旅をしているのだろうか
ザンフォグ・シーケン
1.軍に在籍、テロ組織などの敵対勢力から「殲滅のザンフォグ」と恐れられている
2.強敵との戦いを求め、地球で傭兵稼業を行っている
3.軍を辞めて居酒屋「斧切」を開業、F大陸で傭兵やゴロツキに酒を振舞っている
ー戦争終結から10年後ー
人が訪れる事のなくなったA砂漠を飛行する機体が2体
それらはA砂漠に空いた謎の大穴の中へと降り立った
機体から現れた人物は・・・大人になった、ネイスとローネであった
ディナン「私は穴の外で待機していますので慰霊が済んだら連絡を」
ネイス「わかりました」
護衛であるディナンが飛び去ると、ネイスとローネは大穴の中心へと向かった
大穴の中心には、名前の刻まれていない墓が静かに佇んでいた
墓に手を合わせたふたりは、まるでそこに人が居るかのように語り掛けた
ネイス「お久しぶりです「」さん ここに来るのに…随分時間が掛かってしまいました」
ネイス「一人前の大人になるまで「」さんには会わないって決めていたので…」
ネイス「そうしたら10年も経って…その間‥‥色んな事がありました」
ネイスは嬉しそうに、時には悲しそうな顔をしながら10年の歩みを語った
ネイス「10年経ってもまだ問題は山積みです けどローネと力を合わせてこれからも頑張ります」
ネイス「だからここから見ていてください 僕たちの創る未来を」
ネイス「‥‥みんな僕とローネの事を世界を救った”ふたりの英雄”って言っているんです」
ネイス「でも僕とローネにとっての・・・ふたりの英雄は____」
ローネ「___「」 わたしたちを救ってくれて ありがとう」
ローネは墓に花を手向けると、自らの口で感謝の気持ちを伝えた
戦争は終わりを告げ、世界に平穏が訪れた
訪れた平穏は仮初の夢と成り果てるか、それとも悠久に紡がれてゆくのか
その答えは・・・未来を創る人々の手の中に
30MM戦記 最終章 ふたりの英雄 完
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